病み皐月
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205: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/10(火) 10:10:29.02 ID:OETQ2IyAO
とりあえず下1

206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/10(火) 10:12:15.35 ID:rsmosK9G0
初霜

215: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/10(火) 21:59:38.63 ID:Sdymx0kzO
gdgdになってしまったので、2200は無しで

2215以降3人でもっとも低コンマ

221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/10(火) 22:15:00.04 ID:+nNXOzZ+o
舞風

246: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/10(火) 23:04:41.98 ID:Sdymx0kzO
「提督」

初霜が呼び掛ける。

「私はね?一隻でも一人でも、救えるならばそれで満足なの」

諭すような優しい声。

「でも、もし提督の身に危険が生じるなら、何であろうとその危険を排除する」

手に持った12.7cm連装砲は、銅が錆びきったような色で。同じ色の液体が滴り落ちて、床に小さな斑点模様を作っていく。

「夕立さんが提督を困らせていました。
悪い子です」

初霜が一歩進む。

「曙ちゃんが提督を悪く言ってました。悪い子です」

初霜はゆっくりと前に進む。途中倒れていた夕立を跨いだ。

「そんな曙ちゃんを庇った漣ちゃんもきっと悪い子。それに怒った人たちも」

その焦げ茶色の連装砲に頬擦りする初霜は、満面の笑みを浮かべていた。

「提督を困らせるような人たちは、仲間じゃありませんよね?むしろ撹乱させるためのスパイに違いありません」

焦げ茶色のベットリとした液体が頬にへばりついても初霜は気にしていない。

「だから提督の前でお仕置きしました」

先程の感触を確かめるように連装砲を振る初霜。

「それなのに、それを提督は怒りました」

俯く彼女はとても悲しそうな表情をしていた。

「知らないうちに提督までもが偽者だったんですね。すっかり騙されてました……」

不甲斐ない、とでも言いたげな初霜は窓の外に目をやる。天気が良いのに誰もいなかった。

「……本当の提督は何処にいるのですか?」

泣きそうな初霜の声。
それに返事するものはいなかった。


【悪人】

250: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/11(水) 21:51:17.00 ID:Q9gI85xY0
2200以降3人で一番高コンマ


256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/11(水) 22:00:01.76 ID:Um8ZwkYHo

268: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/11(水) 22:25:06.23 ID:Q9gI85xY0
「ねぇ提督。一緒に踊らない?」

無邪気な笑みで舞風は誘う。
その言葉で提督の動きが止まった。

「……舞風、もう止めよう」

扉を閉めて回る舞風に提督は言った。

「大丈夫大丈夫!」

しかし、彼女は笑いながら提督の手を取る。

「いいから立って!ね?」

強引ながらもどこか優しさを感じる手の
引き方。

「お、おい!」

座っていた提督がよろめきながら前に数歩出ると、すぐ横に舞風の顔があった。

「……私が手取り足取り教えてあげる」

耳元でそう囁く彼女。
その顔はとても扇情的で、思わず提督は唾を飲んだ。

「まずは、準備体操から……ね?」

舞風はちらりと奥の扉に目をやると、またもや小さく笑った。その扉の向こう側は提督の寝室だ。

「……舞風。こういうことはよくない」

「……提督は、断るのが下手だよね。したくないって言えば良いのに」

悪戯をした子供のような笑い。
提督はぐうの音も出せなかった。

「ね?悪いことをしているわけじゃないよ?」

再び舞風が手を引く。

「…………これで最後だぞ」

何度目かわからない台詞を言って、提督は着いていった。

269: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/11(水) 22:26:02.24 ID:Q9gI85xY0




廊下に繋がる扉は少しだけ開いていたことに気づいていたのは舞風だけだった。

270: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/11(水) 22:27:02.22 ID:Q9gI85xY0
「……お話ってなんですか?榛名さん」

その日の夜。舞風は秘書艦である榛名に呼ばれていた。

場所は誰の寝室からも離れた空き部屋。

「惚けているんですか!?」

苛立ちを隠せない榛名が声を荒らげる。

「今日の夕方、提督と何してたんですか!」

「何って……ダンスの練習かな?……ちょっと激しかったけど」

舞風は、榛名とは対称的に余裕の笑みを見せる。

「……っ!」

「そんな顔はやめて下さいよ。私、暗い雰囲気は嫌いなんです」

榛名の顔が歪むほど舞風の口角は上がっていく。

「…………ふぅ」

深呼吸で一端落ち着いた榛名は冷静に切り出した。

「あなたのやっていることは、軍として認めるわけにはいきません。提督に頼んで解体処分をお願いします。優しい方ですので悩まれるでしょうが、きっとわかってくれるでしょう」

「……………………」

「黙っていてもいいですよ。あなたの意思は尊重するつもりはありません」

その一言でさっきまでの余裕さは消え、舞風は黙って俯いたまま。
勝った。心の中で榛名は笑った。

だが、

「……ご自由にして下さい」

「なっ……」

あげた顔は笑顔で、榛名は気圧された。

「…………わかりました。明日にでも提督に進言してきます」

くるりと向きを変え、榛名はぶっきらぼうに出ていった。

「提督は、私を見捨てたりしない」

一人になった舞風が呟いたのは、自信のこもったものだった。

「あの人は私無しでは生きれない」

クスリと笑う舞風。

「それに、私たちもあの人無しでは生きれない」

扉を開いた舞風は、足を執務室に向けた。

「……提督に祝って貰おっと」

彼女は笑いながら右手でお腹を大事そうにさすった。


【弱み】

279: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/12(木) 21:57:20.34 ID:6fLqsySr0
2210以降3人で一番高コンマ

285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/12(木) 22:10:00.79 ID:dDF5rlQCo
皐月

301: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/12(木) 22:25:22.78 ID:Ca+htxh4O
「朧」

提督が呼び掛ける。
返事はしないものの、朧は手を止めた。

「そろそろ新しい仲間を建造しようと思うんだが……」

「別にいいのに……」

話は終わりと言わんばかりに朧は机に向かう。

「……そろそろ運営が厳しくなってきたんだ」

「…………」

朧は何も言わないで手を動かす。

「ほら、お前も疲れるだろ?」

「いいえ」

まるで心を閉ざしたかのような彼女。
その姿は提督の心に刺さるものがあった。

「……俺がしっかりとしていないからこうなっているのは十分承知している」

「……やめて下さい。別に提督に責任があるとは言ってません」

「でも、朧は苦しんでいるじゃないか!」

静まる執務室。提督の顔が赤くなりだしたとき、朧が口を開いた。

「……提督のそういうとこ、キライ……じゃ、ないです」

ですが、と朧は間髪をいれずに続ける。

「アタシには提督しか必要ありません」

「……俺は、朧が心配なんだ。聞き入れてくれ。な?」

最終手段。提督は頭を下げた。

「……わかりました。どうなっても知りませんよ」

渋々沈黙の末、朧は提督の提案を受け入れたのだった。

302: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/12(木) 22:26:35.66 ID:Ca+htxh4O
「綾波型駆逐艦漣です、ご主人さま」

一人だけ、という条件で建造をした提督だが、やって来たのは漣だった。

「ご主人さまって……」

「はい!ご主人さまはご主人さまです!」

今までのタイプと違うからか、たじろぐ提督。

「……漣」

そっと提督の影から顔を出した朧は、漣と目が合った。

「ん?おお!朧!」

再開を果たした漣は嬉しそうに駆け寄った。

「今日からまた一緒ですね!」

無理矢理手をとって握手をする漣だが、朧もまんざらでも無さそうだ。

そんな朧を見て提督は安心した。
タイミングを見計らって

「漣、実はここには私と朧しかいなかったんだ。それで、朧には休暇を与えたいんだ」

「ふむふむ」

「…………えっ?」

「突然で悪いが、漣に秘書艦を頼んでも構わないか?」

提督は、前から考えていた朧への休暇を与える良い機会だと踏んだのだ。

「了解でーす!この漣、朧のために何肌も脱いじゃいます!」

おどけて敬礼する漣。それを見る朧の目は、どこか冷めきったものだった。

「さっそくだが、今から二人で出撃してもらっても大丈夫か? 場所は鎮守府正面海域。 手始めとしてはいいと思うんだが……」

力試しにはもってこいの場所。
提督は二人の連携を確かめたかったのだ。

「…… 綾波型駆逐艦、朧、行きます 」

「ほいさっさ~。了解しました!」

朧の俯く顔が気になったが、漣が旗艦での艦隊は出撃した。

303: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/12(木) 22:29:23.19 ID:Ca+htxh4O
「すまない……漣」

そう言って提督は海に向かって膝をついた。
名前は違えど、こうするのもこれで何度目か。

二人での出撃は、まさかの結末に終わった。

「空母が現れて……それで」

朧の顔が沈む。彼女の話では、漣は目の前で空母にやられてしまったらしい。

「泣かないで提督」

泣きたいはずの朧が提督の手を握った。

「またお前に悲しい思いをさせてしまった……」

提督は目の前の彼女を泣きながら抱きしめた。
新しい仲間が来ても、すぐに深海棲艦に襲われる。これは何度目か提督は覚えていなかった。

「……もう慣れました」

朧が提督を強く抱きしめ返す。

「そんなこと言って、お前……」

「大丈夫。私は秘書艦で、提督の唯一の部下なんですから」

それを聞いた提督は更に涙を流した。

抱きしめている彼には、朧の顔は見えていない。


【新しい仲間?別にいいのに】

311: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 09:54:49.89 ID:NfXyjnn0O
「司令官?こんなに如月に甘えちゃって……もしかしてロリコンなのかしら♪」

大人しく頭を撫でられる如月。
彼女は今日の秘書艦だ。

「そうではないぞ。なにより、如月が抱きついてきたからじゃないか」

「もうっ!そんなこと言わないでよ」

業務を終えた提督は、いつもこうして秘書艦のお願いを聞いている。
この特権は秘書艦となった彼女のもので、もっとも秘書艦は睦月型で回しているのだが。

と、そこへ一人が割り込んできた。

「司令官!ボクが秘書艦になるのはいつかな?」

扉を開けたと同時に尋ねるのは皐月。

「んと……弥生と卯月が終わってからだな」

秘書艦は日替り制なので、明明後日ということになる。

「そうか……わかったよ。ボク、楽しみに待ってるね」

笑顔で出ていく様はなんとも子供らしく可愛いもので、提督は完全にドアが閉まるまで小さく手を振っていた。

312: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 09:55:40.25 ID:NfXyjnn0O
「司令官!今日はボクが秘書艦だよ」

翌日、執務室に来たのは弥生ではなく皐月だった。
皐月の言葉に提督は首を傾げる。

「……いや、お前は明後日だろ?」

「弥生と卯月はいないから、飛んでボクに回って来たんだ」

「いない……?」

提督は試しに放送で呼び掛けるも、二人がやって来ることはなかった。

「外出届は出てないが……」

「遊びに行ったんじゃないかな」

「いや、弥生がそんなこと……」

否定しようとしたが、卯月も同伴だと考えるとあり得なくもない。

「じゃあ、今日は皐月に任せよう」

「やった!」

皐月がいい笑顔を見せる。

「じゃあ、仕方ないが明日は文月か」

「それで司令官!ボクは何をしたらいいの?」

張り切る皐月。

「そうだな。まずは――」

仕事を渡すとテキパキとこなす皐月。

結局仕事は午前に終わり、提督は午後に皐月のお願いをひたすらきいた一日だった。



「今日もボクが秘書艦だよ!」

翌日も扉を開けたのは皐月だった。


【順番抜かし】

313: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 09:56:55.15 ID:NfXyjnn0O
ボクっ娘可愛い

次の娘1000に一番近い娘

314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/14(土) 10:00:01.06 ID:yKmL1Xv1o
摩耶

340: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 19:29:24.01 ID:O1ZkQyHQO
「おい提督!さっきの奴は誰だよ」

「……なんでもないよ」

乱暴に扉を開けて入ってきた摩耶を軽くあしらう。
そんな提督に一気に駆け寄った摩耶は彼の正面に回り込んだ。

「嘘つけ!あいつら、提督をひきぬくとかなんとか言ってたじゃねぇか!」

「……聞いてたのか」

そこでようやく提督は摩耶の目を見た。

「!……摩耶」

彼女の目は若干潤んでいた。

「なぁ提督。摩耶様を置いてきぼりにするとかふざけたこと言わねえよな……?」

「落ち着け摩耶」

「どこにも行かねぇよな?な?」

いつもの彼女からは想像もできない泣きそうな顔で提督の肩を揺さぶる。

「…………上からの命令なんだ」

提督が小声で答えると、摩耶の揺さぶっていた手がパタリと止んだ。

341: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 19:30:46.46 ID:O1ZkQyHQO
「…………あたしか?」

「摩耶?」

「あたしが提督にきつく当たっているからか?」

摩耶は涙を流しながら提督の右腕にしがみついた。

「いや!違――」

「あたしが嫌いでどっか行っちまうのか?やめてくれよ。お願いだから」

「摩耶?落ち着――」

「もしかして言葉遣いか?それならすぐに直……します。今までごめんなさい。これからはちゃんと綺麗な言葉を使います」

「おい摩耶?」

「ごめんなさい。これからはちゃんと敬語を使います。ちゃんと言うことも聞きます。大人しく無茶もやめます。だから行かないで。お願いします。お願いしますお願いしますお願い――」

「摩耶!」

提督は摩耶がやっていたように彼女の肩を揺さぶる。

「……なんですか?まだ足りませんか?」

泣きながらずるずると体が下がっていった摩耶。いつしか四つん這いのような姿勢になっていた。

「違うんだ。摩耶のせいじゃない」

提督は優しく摩耶の体を抱き上げる。

「……本当?」

「ああ、摩耶は関係ない。言葉遣いかも気にしていない」

「で……でも、あたしって怒られそうなしゃべり方だし、それに……」

涙声で気弱になっている摩耶を、提督は抱きしめた。

「俺は、そんなお前の話し方のほうが好きだから。戻してくれ。な?」

「……おぅ。わかった」

「陸軍からのスカウトらしくてな。どうやら上に随分とプレッシャーをかけているらしい」

「……………………陸軍」

「移転は最悪の場合だ。大丈夫だって」

「…………わかった」

その言葉を聞いて提督は胸を撫で下ろした。

「ありがとうな。俺も掛け合っているから」

いつもは怒るはずの頭を撫でる行為も摩耶はすんなり受け入れた。

「……あたしに任せとけ」

撫でられながら摩耶は呟いた。

342: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 19:31:27.69 ID:O1ZkQyHQO
結果として陸軍は手を引いたらしく、提督は鎮守府から離れることはなかった。

「あきつ丸が掛け合ってくれたとかなんとか……ありがとうな」

「い……いえ、自分はここにいる皆の意見を述べただけであります。大したことはけっしてしてませぬ」

いつもよりもやけに堅苦しいあきつ丸。
そんな彼女に提督は訊いた。

「でもお前、つい最近まで陸軍としてお願い云々って言ってたじゃないか。どういう風の吹き回しだ?」

「それは……」

あきつ丸はちらりと秘書艦になった摩耶を見ると、すぐに視線をずらした。

「なんでもありませぬ!自分はこれにて失礼するであります!」

震えた声であきつ丸は出ていった。


【ツンデレ】

343: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/14(土) 19:32:32.85 ID:O1ZkQyHQO
ツンデレってこうですか?わかりません><

次の娘2200以降3人の最高コンマ

349: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/14(土) 22:00:00.87 ID:87gKJa+9o
時雨

353: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/14(土) 22:12:58.65 ID:RxG0RDiHO
いい(血の)雨だね

354: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/14(土) 22:23:56.26 ID:/S5V0EaEo
四大ヤンデレ艦娘の一角が来たな…

前回:提督「狂ってしまった彼女達」 その2
次回:提督「狂ってしまった彼女達」 その4

引用元: 【安価】提督「狂ってしまった彼女達」



by カエレバ