ヤンデレ大鯨ちゃん


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455: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/19(木) 21:25:36.66 ID:KfokjcELO
「加古ってさ」

「んー?……なんだ?」

秘書艦の仕事を片付けてようやく布団に潜り込んだ加古は、これから寝ようというタイミングで古鷹に声を掛けられた。

「ちょっといいかな?寝る前に聞いておきたくて」

断りたかったが、普段から世話になっている姉からの頼み。そう易々と無下にできるものではない。

「……早くしてくれよ?あたしは眠いんだからさ」

「用事が済んだら、好きなだけ寝ていいよ?」

だらしない妹を見て小さく笑う古鷹。

「質問したかっただけだから」

「ならとっとと終わらせてほしいな」

加古は大きな欠伸をした。

そんな妹をじっと見つめながら古鷹は尋ねる。

「加古って、提督と付き合ってるの?」

「……ええぇ!?」

一瞬の静寂を加古の驚嘆が破った。

「どこでそんなこと聞――」

「質問に答えて」

冷たく突き刺さるような声が加古の言葉を遮った。

「早く寝たいんでしょ?」

古鷹が微笑みながら加古の頬を触る。

「答えて」

冷たい手と、さらに冷たい声。
加古の目は完全に覚めきった。

「いや……まぁ……はい」

目を反らしながらも頷いた。

「提督が、皆には秘密にしておこうってさ……あっ、勿論ケッコンはまだだけどさ」

加古が照れ隠しで首の後ろを掻く。

456: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/19(木) 21:26:13.30 ID:KfokjcELO
「……なんで加古なのかな」

恥ずかしそうな加古をよそに古鷹は悩んでいた。

「え?いや……そんなの知らねえよ」

「だって古鷹の方がしっかりしているんだよ?」

「いや、まぁ……確かにそうだけどさ」

困った顔で答える加古。

「ねえ加古。もしかして提督を脅したりした?」

古鷹の真剣な眼差し。

「綺麗になる努力をしている古鷹じゃなくて加古なんておかしいよ。ね?古鷹の何が悪かったんだろう……」

これは質問しているようで、実は単なる自問自答であることを加古は知っている。

ぶつぶつ何かを呟く古鷹。それを見ていると加古に再び眠気が襲ってきた。

「……あたし、もう寝るからな」

そう言って加古は布団を被り古鷹に背を向けた。

「…………あ、そっか」

疑問に解決を見たらしく、古鷹が顔をあげた。

「提督は、古鷹と加古を間違えているんだ」

「…………ん……」

古鷹が夢の世界に飛び立った加古に顔を寄せる。

「そもそも、古鷹じゃなくて加古に任せるのがおかしいもん。……そうだ。それしかあり得ない」

そう結論付けた古鷹は、手元にあった艤装を装備した。

「提督、ややこしくてすみませんでした」

その夜、鎮守府に一発の砲音が響いた。


【自己完結】

458: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/19(木) 21:33:23.60 ID:KfokjcELO
次の娘2200に一番近いコンマ

468: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/19(木) 22:00:00.82 ID:hdpVCbK+o
武蔵

475: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/22(日) 20:29:12.31 ID:570WBsOOO
「ん?大和じゃないか」

「……武蔵」

新たな仲間が誕生したと報告を受け、工廠にやって来た提督と武蔵。
そこにいたのは大和だった。

「初めまして。俺がここの提督だ」

わけありなのか、提督は工廠でもサングラスを着けていた。

「!や、大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」

武蔵に向けた呆けた表情が一変。大和はかしこまって敬礼をする。

「そんなに固くならなくても良いぞ。なんなら敬語もやめてしまっても構わない」

そんな彼女に提督は気さくに笑いかけた。

「そ、それは出来ません!上官にそんなこと……」

「……まぁ、普通はそうだな」

武蔵が口を挟む。彼女はずっと提督と手を握っていた。

「……おひとつよろしいでしょうか」

「…………もしかして、この目か?」

毎度新入りに聞かれているのだろう。
笑う提督に暗い感情は感じられない。

「聞かれるのはもう慣れたからな……だいたいわかるさ」

「そ、そうですか……」

フォローのつもりなのだろうが、軽々しく言われた者は却って対応に困る。今の大和がまさにそうだ。

「その目は……深海棲艦に?」

恐る恐る

「ハハハハ……そんな大層なものじゃない」

大和には提督がどこか恥ずかしげな表情をしているように見えた。
目元が見えないので厳密にはわからない。

「この目は武蔵にあげたんだ」

476: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/22(日) 20:29:45.60 ID:570WBsOOO
「…………はい?」

あまりにも予想とかけ離れた回答に大和は一拍遅れて反応する。

「私が説明しよう」

横にいた武蔵が提督の前に1歩出た。

「突然のカミングアウトだが、私はこの提督を好いていた」

「…………はぁ」

先程よりも軽度のカミングアウトに大和は気の抜けた返事で返した。

「いつまでもこの武蔵を見てほしい。そして、私以外を見ないで欲しい。そう考えたら口よりも先に手が出てしまってな」

「…………えっ?」

豪快に笑い飛ばす武蔵。
大和の顔は一気に青ざめた。

「だが、そんな私をこの人は許してくれた」

「本当は、俺の方からアプローチするつもりだったんだが……」

提督が頬を赤らめる。

「しかもそのアプローチも同じときたもんだ。運命を感じたよ」

「…………はぁ」

呆けたような返事を繰り返した大和だが、内心は二人への恐怖を顔に出さないことに必死だった。

「そういうわけで、私が提督の目になっているのだ」

武蔵と提督は、互いに手を握る力が強くなった。


【恋は盲目】

493: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/26(木) 23:45:02.86 ID:8FtQsOeQO
エイプリルフールネタとして、3/27 0000に一番近い娘

お休みなさい

495: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/26(木) 23:59:59.35 ID:FQGJ0ddto
長波

499: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/29(日) 16:41:55.95 ID:ohTOgZcfO
好きな娘直下(小声)

501: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/29(日) 16:43:15.75 ID:xq+g5/Auo
瑞鳳

506: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/29(日) 22:29:12.36 ID:1wWiPNSKO
「ねえ提督」

虚ろな目で瑞鳳は提督を呼んだ。

「瑞鳳の卵焼き……食べるぅ?」

笑顔を見せるが以前のような可愛らしいものではなく、その目が不気味さを引き立てている。

「提督に食べて貰いたくて、いっぱいいっぱい作ったの」

持った皿には卵焼きの山。
大半は崩れていて、少なくとも1パックの
卵が使われている。

「ほら、あーん」

彼女は箸で卵焼きを挟み、口を開けるよう促す。

「……いや、遠慮がちするよ」

だが、提督は口を閉じたままで開こうとする素振りを全く見せない。

「…………もう」

やれやれ、とでも言うように手を引いた瑞鳳は溜め息をついた。

「ここに置いておくから、絶対に食べてね?」

提督が強情な性格であることを知っている瑞鳳は早々に諦めて、箸と皿を彼の目の前に置いた。

「食べないと、死んじゃうよ?」

提督は痩せ細り、以前の彼を知る者は今の彼を見たら戸惑うだろう。

「……………………わかったよ」

そう告げる声は弱々しく、首は細い。

しかし、いくら細くなったところでその首輪から逃れることは出来ない。

「じゃあ、後片付けしてくるね」

そう言った瑞鳳は檻の鍵をかけた。


【同棲】

507: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/29(日) 22:31:21.65 ID:1wWiPNSKO
愛が溢れるマイホーム

次の娘2235からの1分間で最高コンマ

511: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/29(日) 22:35:15.84 ID:sTWqY58rO
大和

517: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/30(月) 23:39:39.97 ID:gvkywueyO
「提督」

ノックの音が玄関に響く。

「…………大和か」

「はいっ!」

扉を開けなくとも提督にはわかる。
今、大和は笑顔で相づちを打ったのだろう。

ここは提督の自宅。あくまでも仕事の関係である艦娘には教えていない彼の家だ。

だが、例外が一人だけ。

「忘れ物ですよ?この書類、今週中に提出しないといけないんですよね」

扉を開けると、紙の束を抱えた大和が立っていた。

「……あぁ、すまない。忘れていたよ」

「まったく……明日からは気をつけてくださいね?」

そう言いながらもどことなく嬉しそうな大和。
彼女から書類を受け取った提督は複雑そうな顔をしている。

「では、失礼します」

笑顔のまま大和は扉を閉めた。だが、足音は聞こえない。

「…………また引っ越しか」

教えてもいない自宅に荷物を届けにやって来る大和。

それは、怯える提督が引っ越す先でも変わらない。


【いたちごっこ】

518: ◆00ZRE1DaEk 2015/03/30(月) 23:40:36.23 ID:gvkywueyO
這いよる混沌大和

次の娘直下

519: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/30(月) 23:40:44.23 ID:/ZXCjxl2O
大鯨

526: ◆00ZRE1DaEk 2015/04/01(水) 00:31:47.83 ID:YQnVXMq5O
「提督への報告ねー」

「ありがとう……って、おい」

長波は投げ捨てるように大本営からの指令書を渡す。
提督はそれをあわてて捕らえた。

「まったく……」

熱くて上官思いないい娘なのは承知だが、こういうがさつな所が珠に傷な長波。

「んで?どうなのさ」

なんとかならないか……
そう思った提督は一計を案じた。

「………………俺は解任だとさ」

「そう…………なんて?」

長波は眉をひそめて提督を見た。

「艦娘への指導がなってないと書いてある。風紀が乱れたら海軍としても立場がない。よって……というわけらしい」

「何言ってるの?提督は礼儀正し――」

「秘書艦が」

「――――――」

長波が口を開けたまま動かなくなった。

「この前大本営の会議に連れて行っただろ?その時に目をつけられたらしい」

提督は指令書に落としていた目でちらりと長波を見る。
彼女は以前として固まっていた。

当然ながら、指令書にはそのようなことは書かれていない。
少しでも長波を反省させようという提督の策である。

幸い今日は嘘が許させる4月1日。最後にネタバラしをすれば全てが丸く収まるだろう。提督はそう考えたのだ。

527: ◆00ZRE1DaEk 2015/04/01(水) 00:32:56.76 ID:YQnVXMq5O
「……提督が」

「どうした?」

「提督が辞めたら長波はどうなるの?」

真剣にも怯えたようにも見える瞳。そこで嘘を重ねることは提督には出来なかった。

「いや……ここで新しい上官を待つか、別の鎮守府へ転勤してもらうかだな。なるべく皆の意見を尊重するけど」

嘘はついていない。だが、その事実は長波の心を深くえぐる。

「提督は?提督と一緒にいちゃダメなのか?」

「えっ……と」

「一緒にいれないのか?」

質問攻めで逃げ場を絶たれつつある提督は、潮時かと思いネタバラしをすることにした。

「……なら長波から離れないよう――――」

「長波……実はさっきの話は嘘なんだ」

「……えっ?嘘?」

呆れたように吐いた溜め息は深く、緊迫した空気が緩んだ。

「まぁ、俺が言いたかったのは、少しは礼儀正しくなってくれってことだ」

「まったく……身に染みたぜ」

長波は安心した顔つきで

「提督と離れるのは嫌だからな」

何かを後ろ手に隠した。


【エイプリルフール】

533: ◆00ZRE1DaEk 2015/04/04(土) 12:37:55.71 ID:vXOe8MgGO
「うーん……」

洗濯物を前に大鯨は唸っていた。

「このシャツ……」

提督の物なのだが、何度洗っても臭いが落ちない。

「簡単に捨てるのは勿体ないんだけどな……」

しかも、それは買ってまだ数えるほどしか着ていないもので、そのことが一層彼女を悩ませる。

「でも……うーん……」

「…………大鯨?」

「ひゃっ!?」

突然後ろからかかった声に大鯨は跳び跳ねた。
放り投げられたシャツは彼女から少し離れた場所に落ちた。

「て、提督!?」

「驚かせてすまない……それで、どうしたんだ?」

「い、いえ……このシャツなんですけど、嫌な臭いが取れないんです」

「えっ……と…………その、すまん」

複雑な顔で提督は頭を下げ、さらに膝をついた。
先輩の話に出てきた加齢臭というワードが彼の頭をよぎる。

「そうか……臭うか……」

「て、提督のせいでは無いことは十分承知していますから、提督が謝る必要はありませんよ?」

大鯨は慌てて、提督の体を起こそうと肩に手をかけ、

「…………ん」

そのまま提督に抱きついた。

534: ◆00ZRE1DaEk 2015/04/04(土) 12:38:35.82 ID:vXOe8MgGO
「大鯨……?」

「この匂い……私は大好きです」

顔を埋めながら喋る大鯨。
提督は自然と彼女を抱擁しようと手を広げた。

「Hey!提督ー!」

そんな二人の後ろから声をかけたのは金剛。
彼女は二人を見るや否や間に割り込んだ。

「私にもhugして下サイ!」

大鯨を押し退けて、提督に抱きつく。

「またかよ……」

提督も微妙な顔をしているが、まんざらでも無い様子。
抱きつきはしないものの、優しく頭を撫でた。

「はぁ……」

追いやられた大鯨は深くため息をはいた。

「またシャツを捨てないと……」

床に落ちていた真っ白なシャツを摘まんで持ち上げ、振り払うようにゴミ箱へ投げた。


【汚物】

536: ◆00ZRE1DaEk 2015/04/04(土) 12:40:29.01 ID:vXOe8MgGO
大鯨はいいこなので病みません

次の娘直下

537: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 12:40:43.93 ID:hrJZlTDN0
赤城

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引用元: 【安価】提督「狂ってしまった彼女達」



by カエレバ